買って自分のモノにした後は?
浪費にみる恋愛分析
私の恋愛は、愛情のデクレッシェンドに流されて終わりを迎えることがほとんどだ。
まあ、誰の恋愛でも、多かれ少なかれそうだろう。
付き合い始めたときはあんなにドキドキしたのに、いつしか一緒にいるのが当たり前になって、多くを求めるようになる。
そして、理不尽に責め合ったり、傷つけあったり、もみ合ったりなんかしているうちに、温かかったはずの愛情は冷めきってしまうというわけ。
そんな恋の終わりを迎えたときの私は、決まって大掃除にせいを出す。週末ごとにクローゼットをひっくり返しては、いらないものをガンガン捨てていくのだ。
彼の思い出があるかないかなんて、関係なし。いや、最初は関係あったはずなんだけど、そのうちどうでもよくなる。クローゼットにも、新陳代謝は必要だからね。デトックス、デトックス♪ なんて自分を励ましながら、鼻歌まじりに手当たり次第、不用品をポコポコとビニール袋に放り込んでいく。この快感、傷心者にしかわかるまい。
ポコポコ、ポコポコ。
みるみるうちに、40リットルは入るゴミ袋が満タンになっていく。1袋、2袋、3袋……ん? ちょっと待てよ。確か、先週も先々週もゴミ袋3つ分はゴミを出したんじゃなかったっけ。なのに、今週もこんなにいらないものがあるのはなぜだ。なぜだ、なぜなんだ。
そんな疑問がじんわり浮かんできて、怖くなった私はモノが散乱する部屋にへたり込んだ。
これといって大きな買い物をした記憶はない。なのになんだ、このアリ地獄のような不用品の山は。いや、沼か。不用品底なし沼、オーノー。
投げ込んだゴミ袋の中身を吟味してみると、勢いで買った流行ものの安物バック、似合わないキャップ、どこかで買った変なストラップなどなど、そのときは気に入ったんだろうが、今や1ミリも必要とは思えないものばかり。
いわば、妥協品のオンパレード。心底惚れて買ったものなどひとつもない。どれもこれも「安いし、まあまあ気に入ったからいいか」とか言ってとりあえず買った「代用品」ばかりだった。
お金も愛情も、使えば減る。
でも、減るからといって出し惜しみしていては、欲しいものは決して手に入らない。
しかし、手当たり次第にばら撒いても、やっぱり自分と財布が磨り減るだけだ。
このところの私は、小さな愛情を切り売りしていてばかりいたのかもしれないなあ。
大して好きではないものを、手にいれた時点で満足していたんじゃないか、おい。
そりゃ、続かないわな。そりゃ、いらなくなるわな。
いつの間にかうす暗くなった部屋を見渡しながら、いつまでたっても片付かない部屋の不思議がわかってポンとひざをうった。
これからは、買い物も恋愛も、一点豪華主義でいこうじゃないか。


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- まつざき みわこ
- (complex gala.編集長)
- 「ソフト面」の編集を担当するフリーライター。エンタメ系から小難しい系までいける理論派だが、感情が先走るクセがあり、時折フリーズする。必殺技はベリーダンスだが恥ずかしがって披露しないという、これまたアンビバレンスな彼女である。
- ・ブログ:虹色玉虫





