スピードの問われる広告業界で、「良い仕事」をするためには、商品を愛し、その魅力を際立たせ、欠点もポジティブに捉えなければならない。
そう言う意味で、広告人は心身共に限界を求められるガテンな仕事とも言える。
終電で帰宅し、自宅近くのビデオ店をすれっからしの抜け殻になってフラフラしていた時のこと。
とても映画なんてじっくり観られるる状態でない「抜け殻」な私の目に、現実逃避をする着ぐるみのDVDが飛び込んできた。
著書でも話題になっているドアラ氏だ。
ドラゴンズはもちろんのこと、野球にさえ全く興味がないのだが、こんな抜け殻な状況に着ぐるみとは洒落が利いているではないか。
さっそく家に帰り再生してみたところ、タイに訪れたドアラがホテルでうかれ、ビーチではしゃぎ、ムエタイで惨敗、ゲテモノ食に悲鳴……と予測が付きすぎる展開。思わず発売日の記載を見紛うばかりの時代錯誤の適当感。
しかしそこではたと気がついたのだ。
ドアラ氏も紛うことなきドラゴンズの広告人であると。
休日であるはずのバカンスに予定を詰め込みすぎるのも、またそれをひとつのコンテンツとして売り出そうと画策してしまう姿も、我が身に思えて、失笑の涙が浮かんだ。

- ドアラの休日 げんじつとうひ、してみました。(DVD)
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販売元:メディアファクトリー
発売日:2008/09/12
ASIN:B001AANMA4
時間:70分
価格:2,940円(税込)
こんなにもコピーの役割を果たすタイトルが他にあるだろうか。
本書はもちろんフィクションであり、帯には「未来社会のモデル」とある。
「1日3時間しか働かない」架空の国ギルギシア。
そこへ、ひょんなことから滞在することになった主人公の手紙を読んでいくというもの。
本当の豊かさを求めて「新しい社会」を立ち上げた理想郷ギルギシア。
そこでの労働時間は3時間、あとの21時間は眠ったり、創作活動をしたり、愛し合ったり、自分のために使う。
政治家はボランティア。
学校は「人生の谷」と呼ばれ、勉強ではなく学びがある……
一読後の感想は、現在の自分の生活からかけ離れすぎていて、ギルギシアの「新しさ」が全く突拍子もなく、想像も出来なかった。
その1つ1つの「新しい社会」を、本当にそうあることが幸せなのか疑った。
そうしたら自分にとっての豊かさについて考えざるをなくなった。
私にとっての幸せな「未来社会」はギルギシアだろうか。
21時間の「自分の時間」をどのように使うだろうか。
現在の私の生活は、「自分の時間」ではないのか。
訳者あとがきにこう書いてあった。
“これは、読み終えるのにさほど時間はかからないが、読み終えた後には長い時間考えさせられる小説なのである”
確かにそうだ。
日常の問題について思考することも大切だが、時には理想郷に付いて思考を巡らせるのもいい。
この本は読後の長考というユートピアでそれぞれのギルギシアが見える、不思議な本である。

- 誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国(単行本)
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ISBN-10:4838718888
ISBN-13:978-4838718887
発売日:2008/06/26
商品の寸法:18 x 13 x 1.2 cm 133ページ
価格:1,260円(税込)


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- Kid.May
- (コピーライター)
- コピーライター、編集者。
共感はエンターテインメントであるとして、生活感のある切り口を模索。その一方で反感は上質な友好を生むと考えている。
結果、思案に暮れる地味な生活を送っている。





