「何でその子と付きあったの?」と、聞かれたときに「パーカーのフードを頭にかぶった姿が印象的だったから」と、答えて怪訝な顔をされたことがある。
自分自身、その理由がさっぱりわからなかったし、第一、パーカーを着ている女の子が、むちゃくちゃ好きなわけでもない。
でも、あのとき、パーカーのフードをかぶってビールを飲んでいる彼女から、どうしても目が離せなかったのだ。
あ、あの人いい感じだなぁ、と思ったとき、それが恋の始まりであると感じる人は意外に少ないと思う。
あの人に会いたいなぁ、とか、あの人が違う誰かと仲良くしている姿を見てなんとなく、
さみしくなったり、やきもちを焼いたりする時に、あぁ、今、恋してるかも、と、気づく人が大半だと思う。
でも、やっぱり、なんであの人のことを好きになったんだろう、と思い返したとき、その理由がとても恋を連想できるようなものとは思えないことが、実はとても多いのではないのだろうか。
もちろん、好きなタイプの顔立ちや声、体型といった身体的な要素は、恋におちる上で重要な要素には違いないけれど。
しかし、それを踏まえた上でも、この人いいな、と感じた『何か』にはきっと、その人の
外見には表れない魅力や、自分の好きな要素が、隠し味のように含まれているはずだ。
そして、他の人にはない『何か』や、好きになった自分以外には気づかないような『何か』を五感や六感で感じ取れる感性が、誰にでもきっとある。
例え、それが一見、他の人から疑問に思われるようなことでもいい。
そして、もちろん、そこに根拠なんてなくたっていい。
気の迷いなんかじゃない。ただ絶対にこの人だと思っただけだ。なんとなくだけど。
そんな風に、自分の感性を素直に受け止めるまでに必要な要素が、この本の中にはたくさん含まれている。一つひとつは役に立たない要素かもしれないけれど、このエッセイを読み終わったとき、あなたは今まで見逃していた恋のビビビをつかまえることができるようになると僕は強く確信する。なんとなくだけど。
おまけ短歌
★うつむいたときに君が唇を噛んでなければ今ごろ僕は
(さかいたつろう)

- もしもし。運命の人ですか。(書籍)
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ISIN:978484011816
発売日:2007/03
価格:1,300円(税別)
どこで聞いたか忘れてしまったけれど、人に相談するとき、人の心理状態としては2つしかないという。
1つは【ただ、自分の話を聞いてほしいだけの状態】、もう1つは【結論は出ているけれど、踏み切る事ができない状態】だそうだ。
もし、上記のように心理状態を2つに分けられるとするならば、多くの人の場合、誰かに相談するときに、自然と、相談する人を使い分けているのではないだろうか。
前者の場合なら、ただ、相槌を上手に打ってくれる人であれば、まぁ誰でもいい気がする。
ほとんどが自分のアウトプットだけで終わるからだ。
でも、後者なら、少なくとも自分より上の感性や経験を持つ人を相手に選ばなければならない。例えば、単純に「頑張れよ!」とか「やってみたら?」などといった言葉も、自分が認めていない人の言葉なら、「よし頑張ろう!」と心の底から思えないと思う。むしろ、問題が解決しなくてモヤモヤするだけだろう。
ところが、これが、辛酸をなめてきた人や、浮世離れしている人に相談をすると、 思わぬ角度から言葉のパンチが飛んできたりする事がある。
以前、僕がお店を出そうとして、周りの人たちに反対されて、落ち込んでいたときに、とあるお店の女性オーナーとお話をしたことがあった。両親にお店を出す事を反対されていた彼女も同じ経験があったので、そのあたりの話を聞いてみた。すると一言「待っただけよ」という返事が返ってきた。「両親が納得して応援してくれるまでということですか?」と僕が聞くと、彼女は笑ってこう答えた。「いいえ。両親が説得を諦めるまでよ」と。
「継続は力なり」という言葉があるけど、この場合も同じ言葉に分類されるだろう。
でも、そんなお行儀のいい言葉では、苦しい状況を突破できない。清濁を併せ呑んで血の味がしそうな言葉でしか前に進めない状況だって、きっとあるはずだ。
この本に載っている言葉も、そんな類の言葉たちだ。逆境や周囲の反対に押しつぶされそうになりながらも、自分の意思と信念をもって貫いた言葉だからこそ、僕たちを励ます言葉になりうる。迷ったときに聞きたい言葉は、正論よりもガツンと突き刺さる言葉の方ではないだろうか。世間から外れてしまった人や変わり者の言葉だからこそ、どうしようもなくなってしまったときの僕たちに勇気を与えてくれる。そんな無敵の格言集だ。
おまけ短歌
★悪いことしてみたいんだ このままじゃいつかどこかで躓きそうで
(さかいたつろう)

- 人生を奮い立たせる アウトロー100の言葉(書籍)
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ISIN:978488392-5933
発売日:2007/05
価格:1,200円(税別)


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- さかいたつろう
- (書店経営準備中、歌人)
- 日常生活を切り取った何気ない瞬間を詠う歌人として、集英社「The 読書」かとちえの短歌デイズにて第一期最優秀作品賞を受賞。5月配信予定のPodcastにて短歌番組の司会を務める。ただいま、2009年4月頃に奈良県にて本屋出店のため奮闘中。
- ・Pod cast センチメンタルTANNKERブログ
- ・さかいたつろう短歌ブログ:流星文庫





