アメリカの子どもが『セサミ・ストリート』を見て育つなら、ニッポンの子どもは何見て育つ?


子どもをテーマにレビューを、とのお題を受けてふとそんな事に思い巡らせた時。頭の中で音楽が突然鳴り出すではありませんか。「ラジャ・ラジャ・マハラジャア〜♪」。


おぉ、これって、これって、懐かしき『みんなのうた』! その中のワタシ的珠玉の名曲のひとつ『ラジャ・マハラジャー』。子ども時代に口ずさんでいた歌が(30歳前後の方なら、この歌ご存知ですよね? ね?)がひょっこり姿を現したのだった。


そう、『みんなのうた』こそは、かなりの高確率で誰とでも共有できる幼少期の思い出なんじゃないだろうか。これぞニッポン児童のナショナル・スタンダード!


というわけで、すっかり懐かしくなってYou Tubeで検索すると、出るわ出るわ。『キャベツUFO』『赤鬼と青鬼のタンゴ』『恋するニワトリ』『北風小僧の貫太郎』……このへんがツボの人は同年代に違いない。「む〜か〜しギリシャ〜のイカロ〜スは〜♪」なんて、歌のアニメ見ながら本気で泣きましたもの。


今じゃ宇多田ヒカルや椎名林檎まで登場して、まるで実験音楽番組のようなアバンギャルドな雰囲気すら漂う『みんなのうた』ですが、どうかマイペースで続いてくれることを願うばかり。


ちなみに『みんなのうた』って放送開始から今年で47年目。「マハラジャ−♪」と孫に歌って聞かせるおばあちゃんが登場するまで、あとちょっとかしらん。あ、「コンピューターおばあちゃん」はもう実在するけどね!


NHKみんなのうた ベスト

NHKみんなのうた ベスト(CD)
アーティスト:TVサントラ , ボニージャックス , 松尾香 , NHK東京放送児童合唱団 吉田紀人 ほか
レーベル:キングレコード
ASIN:B000EPFQQ4
発売日:2006/5/10
価格:3,000円(税込)

物心ついて最初に読んだ漫画は『Dr.スランプアラレちゃん』だった。しかも母親が全巻を買い与えてくれた。というか、母親が勝手に「アラレちゃん」にハマってしまい、ほいほい買い足すうちに全巻(18巻だったと記憶)揃ってしまったのだ。


そんなわけで私の幼少期の脳みそは「アラレ語」で占められていた。「んちゃ!」とか「ほよよ?」とか本気で言ってた。「まき○そ」という言葉も、もちろんここで覚えた。いや〜、よくこんな言語環境でライターの端くれになったもんだ……。まあ、それはさておき。


アラレちゃんは、あの真っ直ぐさがいい。あり余る元気と食欲、そして自分がよかれと思ったら、道端に落ちてるウンチだって友達にあげちゃう素直さ。


これを「素直」と評してよいのか悩むところ、ていうかただの大迷惑に決まっているのだが、このハタ迷惑なほど直球のエネルギーが子どもの「素直さ」の正体なのだから仕方ない。


子どもが素直で純真に見えるのは、直球ストレートの球の投げ方しかまだ知らないからだ。成長するにつれ、ひとはキャッチボールの微妙な角度のつけ方や力加減を学び、悩ましくも奥深い大人ワールドに足を踏み入れる。


そんな力加減なんてなーんにも考えない、いつでも全力ド直球のアラレちゃんは、いわば「永遠の子ども」としてまぶしいほど強引な「素直さ」を発揮し続けている。もうアラレちゃんには戻れない。いや、戻らなくていい。じつは今だに自転車を漕ぐ時なんかに「キーン」と小さく呟いちゃったりする私ですが、それは秘密。アラレちゃんを遠く離れて、人は大人になるのです。


Dr.スランプ 完全版

Dr.スランプ 完全版(1)(コミック)
著者:横鳥山 明
出版社:集英社
ISBN-10:4088741749
ISBN-13:978-4088741741
発売日:2006/10/4
価格:1,100円(税込)
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タナカ マリ
タナカ マリ
(編集者&ライター)
広告やWebコンテンツ制作の世界で、企画・編集・執筆等の仕事を続けて早8年。30代に突入したわりにはあり余る体力を、趣味のバイク、ランニング、サルサダンスで燃焼中。2008年、仕事を一時中断してスペイン語を学ぶため中米コスタリカに約半年滞在。「人生やったもん勝ち」を代々の家訓として掲げることを目論む今日この頃。
エッセイ:思い立ったら、ラテン日和