物欲は抑えるんじゃない、研ぎ澄ますのだ!
ショッピング嫌いが考える「幸せなお買い物」
じつは買い物があまり好きではない。物欲が薄いと言えば聞こえはいいけれど、要は面倒くさいだけ。ルンルンした高揚感よりも、あっちこっちと探し回る面倒さが先立ってしまうのだ。もちろん、「あなたのストレス解消法は?」なんてアンケートで「ショッピング」と答えた試しは一度もない。
……あら、こんな私が買い物をテーマにしたコラムを書いていいのかしらん。とはいえ、もちろん物欲が全くないわけじゃない。
過去、私なりに「ふ〜、大枚はたいたぜ!」と実感した買い物といえば、オートバイとマウンテンバイク。あとは昨年、貯金をほぼ全額はたいて実現させた中南米プチ留学(プライスレス!)。ざっと計算すると、ぜーんぶまとめて300万ちょい。全部趣味に走ったゆえの出費だけど……いーのかこんなんで!?
まあとにかく、お金の使い方に関しては昔から一貫して一極集中タイプ。「これだけは欲しい!」と思ったものへの執着は強いのだ。
で、そうなると、逆に普段の生活では倹約を心掛けるようになる。いつどこで「絶対ほすぃぃぃ!」と思うものと出合うかわからない。日頃から、来るべき出合い(つまり“でかい出費”)に備えておくわけだ。今年流行の服1着に1万も2万も出したくないけど、ひと目惚れした自転車に使う10万円は惜しくないぞと。
倹約家なのか浪費家なのかサッパリ分からないけれど、こういう出費パターンを続けていると「本当に欲しいモノ」を見極めるアンテナが鍛えられてくる(ような気がする)。
たとえば店先で「ちょっといいな」と思うモノを見た時、それを「絶対に欲しい」「いつかは欲しいけど今は不要」「じつは必要ないかも」ぐらいの松竹梅ランクに瞬時に分けるクセが自然とついてしまう。
そうすると、世の中には「じつは必要ないかも」な梅ランクのモノが案外多いことに気づくのだ。私が買い物嫌いな理由はこの梅ランクに惑わされるのが面倒だからに他ならないが、それらをえいっと切り捨ててしまえば、その分のお金とエネルギーを欲しいものだけに注げるってわけ。
うーむむむ、これって人生や恋愛にも繋がるのではないかしら。人は全てを手に入れることはできなないが、「絶対に欲しいもの」は強く望めば得ることができる。全ての男は手に入らないが、本気で欲しい男だけは手に入る、なんてね。でもそれも、不要なものに背を背ける勇気があれば、の話だ。
人間、欲をなくして生きるのは難しいけれど、欲を研ぎ澄ます訓練はできるはず。
「買わなくてもいいもの」を知ることも、ハッピーな買い物のコツなのかもしれない。


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- タナカ マリ
- (編集者&ライター)
- 広告やWebコンテンツ制作の世界で、企画・編集・執筆等の仕事を続けて早8年。30代に突入したわりにはあり余る体力を、趣味のバイク、ランニング、サルサダンスで燃焼中。2008年、仕事を一時中断してスペイン語を学ぶため中米コスタリカに約半年滞在。「人生やったもん勝ち」を代々の家訓として掲げることを目論む今日この頃。
- ・エッセイ:思い立ったら、ラテン日和





