essay

L012
タナカ マリ(編集者&ライター)

仕事を辞めて中南米へ!
オンナ30、住んだ・旅した220日

思い立ったら、ラテン日和

¡Viva Mexico! 女子の
ハートを鷲掴みな町並み!


山間にへばりつくように建物が並ぶタスコの町並み。中央の噴水がある広場が町の中心。

さて、メキシコシティを満喫した私は、お次はメキシコの地方へ足を延ばすことにした。

今回の旅の友である、現地在住の友人・クミちゃんとまずはシティからバスで南に向かい、クエルナバカという小さな町へ。コロニアル時代の雰囲気と温暖な気候が特徴のこの地は、メキシコ人にとっても手軽な観光地。なのだが、うーん、うーん、残念ながら写真があまり残っていない。

ただ、メキシコシティに比べると、確かに気温がぐっと暖かい。標高2000メートルを超えるシティは、昼間でも太陽が隠れると肌寒く、そこに空気の薄さと悪名高いスモッグが追い打ちをかける。あまり深呼吸をしたい気分にはならない場所なのだ。それに比べ、クエルナバカの明るく降り注ぐ太陽の素晴らしさといったら!

町の外壁の多くは、オレンジや水色、ミントグリーンなどの明るい色に塗られている。そこに陽射しが燦々と差し込み、見上げればクッキリと濃厚な青空。淡いようで濃い、メキシコらしい色彩感覚が広がるのだった。

さてクエルナバカから、私達はさらにバスに乗って移動した。お次に目指すはタスコ。ここは山間に広がる「元・鉱山の町」だ。18世紀に銀鉱山が発見されて大いに栄え、それが閉山となった今は、銀製品で有名な観光地となっている。


タスコを走るタクシーは、なぜかほぼ全てビートル。というわけで町中ビートルだらけ。これなら一方通行の細い路地も通れるもんね。

というわけで、町中至る所に「プラテリア(銀製品の店)」がある。
で、ここは何と言っても町並みそのものがビューティホー! 白い壁の家が並ぶ石畳の路地を散策すれば、あら、素敵な銀細工の工房が……てな感じで、『フィガロ』の旅特集的とでも言いましょうか、女子のハートを鷲掴み! な要素が町中に満載なのだ。シルバー好きな女子には絶対おすすめです、タスコ。

ところで、メキシコに来て一番感激していたのは、何を隠そう食事だった。メキシコといえば、有名なのはチリソースを始めとした辛い料理。これがもう、どこで食べてもめちゃくちゃ美味しいのだ。

なにせ半年住んだコスタリカには、(意外だけれど)辛い料理というものがほぼ存在しなかった。豆も肉も単調な塩味か、せいぜいトマト味。なので、メキシコで久々に味わったスパイシーで複雑な味覚に、最初は鼻血が出そうなぐらいノックアウトされた。あぁ〜旨い、旨いよ、辛いものが!


メキシコの庶民料理のひとつ、「ポソレ」。鶏肉、大粒のトウモロコシ、アボガドなどを煮込んだスープ。これがまた美味しいのだ。

地方に行けば、チーズや「モーレ」と呼ばれるチョコレートソースを使った料理も有名だ。このチョコと唐辛子を混ぜた複雑怪奇なソースもまた絶品で……って、とにかくこんな具合に、この料理のバラエティ、町ごとに異なる多様な雰囲気、どれをとっても、メキシコの大きさというか、「文化の層の厚さ」みたいなものを感じずにはいられなかった。

それもそのはずで、メキシコはコスタリカと比べ物にならないほど多様な先住民の文化が、今も残っているのだ。ちょうどチョコと唐辛子が混ざるように。

ここはやっぱり大陸の国。それに比べて、私が住んだコスタリカは本当に小さな国なんだ。「うーむ、メキシコに住んでもそれなりに楽しかったかも……」正直そう思っちゃった私だが、同時に「ダメな子ほど可愛い」的にコスタリカへの愛おしさも増してしまう、そんなメキシコ旅なのでした。


青空に映えるカテドラル(大聖堂)。これはタスコの後に訪れたオアハカという町のもの。

¡Viva Mexico!
「メキシコ万歳!」
愛国心が強いとされるメキシコ人。毎年の独立記念日には、大統領から一般庶民までが「ビバ・メヒコ!」と熱く叫ぶそーな。

profile
タナカ マリ
タナカ マリ
(編集者&ライター)
広告やWebコンテンツ制作の世界で、企画・編集・執筆等の仕事を続けて早8年。30代に突入したわりにはあり余る体力を、趣味のバイク、ランニング、サルサダンスで燃焼中。2008年、仕事を一時中断してスペイン語を学ぶため中米コスタリカに約半年滞在。「人生やったもん勝ち」を代々の家訓として掲げることを目論む今日この頃。
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