essay

L015
タナカ マリ(編集者&ライター)

仕事を辞めて中南米へ!
オンナ30、住んだ・旅した220日

思い立ったら、ラテン日和

ボリビア突入、目指すは
「世界最高」のチチカカ湖!


ペルー〜ボリビア国境の公衆トイレで、そのものズバリ「トイレ」なる日本語を発見! 南米の公共の場所で見た最初の(そして記憶の限りでは最後の)日本語。感動したよ、でもなぜここに!?

インカ帝国の古都・クスコを離れた私は、またまた長距離バスに乗りチチカカ湖を目指していた。ペルーと隣国ボリビアにまたがるチチカカ湖は、標高3800m(ってもう富士山より高い!)に位置する世界最高所の湖。ここに水草で作った小さな浮き島を浮かべて暮らす先住民の人々が有名だ。


コパカバーナの町。これが町のメインストリートなんだから、のどかなもんです。道の向こうに見えるのがチチカカ湖。

チチカカ湖を見るには、まずペルー側の観光拠点となるプーノという町に泊まるのが定番コースなのだが、私はプーノをすっ飛ばしてボリビア側のチチカカ湖畔の町、コパカバーナまで行くにした。殺風景なコンクリートの建物が立ち並び、砂埃と排気ガスに包まれたプーノの町はどうもガヤガヤして落ち着かなかったのだ。町と自分の相性って、あるのよね。旅を続けていると、「自分に合う場所」をだんだん嗅ぎ分けられるようになってくる。

で、そんなこんなで訪れたコパカバーナは大正解! ちょっと歩いたらすぐに一周できちゃう程の小さくてのどか〜な町で、しかも目の前はもう湖だ。ここが気に入って「沈没」するバックパッカーも多いんだそうで、それも納得の居心地の良さ。


カラフルな町の路地を歩くのは、典型的なインディへナ・スタイルのおばちゃん(の後ろ姿)。頭にちょこんと乗った帽子は、誰もがいい感じの斜め角度でキープしてる。なんでズレないの?

ところでボリビアに入ってまず驚いたのは、インディへナ(先住民)の数の多さ。服装だって見事にインディへナ・スタイルというか、特に女性はフツーの洋装の人を探す方が難しいぐらい。みーんな丈の長いスカートにカラフルな布を纏い、仕上げにちょこんと小さな山高帽を被ってる。これが可愛いの。ペルーもそうだったけれど、南米のインディへナの人達の色づかいは本当に鮮烈! それがまた濃い青空と太陽によく映える。


チチカカ湖に浮かぶ水草のボート。湖に古くから暮らす先住民族のもの……だが、これは観光用のレプリカみたいなもん。。

コパカバーナでの思い出といえば、思わぬ旅の相棒が2人もできたことだ。どちらも私と同じく南米ひとり旅の道中で、しかも行き先は一緒。というかコパカバーナに来た外国人がすることといえば、チチカカ湖に浮かぶ「イスラ・デル・ソル(太陽の島)」という島をトレッキングするぐらいしかないので、この小さな町で出会った私達は、じゃあ皆で行こうぜ行こうぜ、となったのだ。

相棒1号は日本人の大学生で、アメリカでの1年間の短期留学を終え、日本に帰る前に南米をまわっているT君。この人は長い旅の道中で真っ黒に日焼けしていたせいで、私は最初てっきり地元のボリビア人だと勘違いしていたら、日本語を話し出すのでビビった。もうひとりはドイツ人のウーリ君。私とT君が喋っていると、「君たち日本人なの?」と爽やかに声をかけてきたナイスガーイ。ドイツに日本人の友達が数人いるらしく、私達に興味を持ったらしい。


かつてこの地を征服したスペイン人が建てた教会は、イスラム文化の影響も受けている。それにしてもボリビアの青空は本当に「お見事!」ってほど青い。標高が高くて空気が澄んでいるからかな?

そんなドイツと日本の混合チームで、チチカカ湖の島を歩くことになった。「イスラ・デル・ソル(太陽の島)」は、インカ文明の発祥の地とも崇められる聖なる場所で、しっかり歩こうと思うと1日かかる。その遥か悠久なる古代インカの道を、スペイン語と英語が堪能なウーリ君、さすが留学の成果で英語は上手だがスペイン語は解らないT君、中途半端な英語とスペイン語を操る私の3人で、あらゆる言語をちゃんぽんでギャーギャー喋りながら歩く。なんかもう通じ合っているのかそうでもないのか、よく分からないけど楽しい。

だいたい南米に入ってから基本ずっとひとりだったので、誰かと連れ立って歩くだけでワクワクするのだ。旅の道連れってやっぱりいいなー、なんてしみじみ思えてきたりね。

チチカカ湖が夕陽でオレンジ色に染まる頃、私達はコパカバーナの町にフェリーで戻り、湖畔の食堂でビールとチチカカ名物のトルーチャ(マス)料理で乾杯した。2人はこの後のバスで、それぞれまた旅立ってしまうのだ。

日本ならとっくに廃車になりそうなおんぼろバスに乗る2人を順番に見送ってから、私はまた湖までテクテク歩いていった。もう夕陽もほとんど沈み、星が輝きはじめている。昼間は大勢の人がいた湖畔も静かだ。あーあ、明日からまたひとりだなぁ。束の間のにぎやかな1日は終わっちゃった。それはちょっぴり寂しくて、でもどこかホッとしたりもする不思議な感覚。誰かと出会いたいのに、ひとりでもいたい。ひとり旅って、根本的にひねくれ者の発想なのかしらん?

ハー、私もこの町に「沈没」する前に引き上げよう。というわけでコパカバーナに2泊した後、お次はボリビアの首都に向かいます。


チチカカ湖のチーム多国籍。右からドイツ人のウーリ君、絶対に日本人には見えない日本人大学生のT君、私。

compañero
「コンパニェーロ」
仲間、同志、相棒の意味。「アミーゴ(友達)」より結束が固い感じ。仲の良いコンパニェーロは人生の宝だね〜。

profile
タナカ マリ
タナカ マリ
(編集者&ライター)
広告やWebコンテンツ制作の世界で、企画・編集・執筆等の仕事を続けて早8年。30代に突入したわりにはあり余る体力を、趣味のバイク、ランニング、サルサダンスで燃焼中。2008年、仕事を一時中断してスペイン語を学ぶため中米コスタリカに約半年滞在。「人生やったもん勝ち」を代々の家訓として掲げることを目論む今日この頃。
back number
思い立ったら、ラテン日和
L001
「心のドキドキ」に従ったら、日本の反対側に飛んでいた。でも大丈夫、そんなの誰にでもできるから。
思い立ったら、ラテン日和
L002
「中南米、住んだる!」で選んだ国は、コスタリカ。
どこよそれ? いえ、ダーツで選んだわけじゃございません。
思い立ったら、ラテン日和
L003
コスタリカ生活、いよいよスタート。
まず何に驚いたって、ないのよ、アレが。
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L004
コスタリカには美人が多い、
その噂はホントなのか?
思い立ったら、ラテン日和
L005
「自然とエコの楽園」は
どこに向かって行くんだろう?
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「女子おひとりさま」が
中南米で生きづらい理由
思い立ったら、ラテン日和
L007
ラテン的世界から見た
ニッポン人について
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L008
お隣りの国、ニカラグアへ!
思えば遠くに来たもんだァ〜♪
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コスタリカ撤退準備!
で、次なる予定は……
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L010
いざ南米旅行に出発!
まずはメキシコへ
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大都会メキシコシティ&
巨大ピラミッドの頂上へ
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L012
¡Viva Mexico! 女子の
ハートを鷲掴みな町並み!
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冬真っ盛りのペルーに上陸!
首都リマでの小さな出会い
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高山病もなんのその、
行くぞマチュピチュ遺跡!
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ボリビア突入、目指すは
「世界最高」のチチカカ湖!
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地平線まで真っ白な世界!
極寒地獄のウユニ塩湖
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アルゼンチンまで行っちゃえ!
イグアスの滝とご対面
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L018
[最終回]
ブエノスアイレス到着!
そして終わる、ラテン日和